農業協同組合(JA)について

 農業協同組合(JA)は、農業者が中心となって組織する相互扶助(お互いに助け合いお互いに発展していくこと)を共通の理念として運営される協同組織です。具体的には、農業に必要な肥料や農薬などの資材を共同で購入したり,農産物を共同で販売したりしています。JAの組合員である農業者は、消費者でもあり、日常的な生活資材の提供も行っています。また、貯金、貸出等の信用事業や生命・建物・自動車などの共済事業、高齢者福祉、健康管理、旅行など幅広い事業を展開してます。

協同組合と株式会社の違いは?

 株式会社は株の所有者(株主)によって構成されています。株主はその株式によって高い配当を受けることが目的です。その会社の製品を使ったり、施設を利用することを目的としていません。このため、株式会社の顧客は不特定多数です。
 これに対して、協同組合の場合は、出資した組合員は、その配当が目的ではありません。
 出資は協同活動を行う元手となることから、事業の利用者と出資者が同一人となります。
 組合員は組合の事業を利用することによって、自らの生産や生活を向上させるために協同組合をつくっています。

 日本で協同組合と呼ばれる組織は、JAの他にも漁業協同組合(JF)や森林組合(森組)生活協同組合(生協)中小企業等組合(中小企協)など、各種の組合があります。
 組合員数を見ると生協が2,200万人でもっとも多く、JAは910万人、各種の協同組合を加えると、国民の大半が何らかの協同組合に加入している計算になります。JAをはじめとする協同組合は日本の食料流通や金融・共済などの各分野で重要な役割を果たしています。
 運営方法も大きな違いがあります。株式会社の株主総会での議決権は持っている株式が多いほど強いという仕組みに対して、協同組合は出資の多い少ないに関係無く「一人一票」という仕組みになっています。持ち株の数によって決まる株式会社に対して、文字通り、組合員の総意によって決まる平等な「人の結合体」が協同組合の特色です。
 協同組合は、協同相互扶助を原理としています。資本主義社会の経済原則は市場競争で弱肉強食の論理です。協同組合はこうした、資本主義社会にあって、人間尊重・社会的公平の実現という理想を持った運動体です。

 このような協同組合のあり方を特徴づけるものとして、協同組合原則があります。これは、JA、生活協同組合、漁業協同組合だけでなく、世界の協同組合に共通したものです。

農業協同組合マーク/JAマーク

 この農協マークは、千代田区大手町一丁目の(現在のJAビル)に28年間その象徴として、掲げられていたものです。

 昭和23年11月21日、当時の全国農業協同組合連絡協議会によって農協のシンボルマークの製作が決定され、「農業協同組合記章図案募集」により、2,986点の応募の中から、このマークが選ばれたのです。

 「のうぎょう」の「の」と「協同組合」の「協」と、「稲の穂」を図案化したものとされていますが、当時の新聞には、「マークの穂は、稲に限らず全ての主要作物の生産を表している。」と報道されています。

 それ以来、わが国の社会、経済等の変遷の中で、組織内外のあらゆる面 に表示され、事業、経営面においても、シンボルマークとして機能を果たしてきました。

 農協はいま、21世紀に向けて展望を拓こうとしており、CIの一環として決定したJAマークにそのシンボルマークとしての役割が引き継がれたのです。
 この文章は現在のJAビルロビーに農協マークの説明として掲示されているものです。この農協マークを使用するようになったのは昭和24年からです。

平成8年7月21日 全国農業協同組合中央会

農業協同組合マーク

 現在のJAマークは平成4年から使用されるようになりました。

 このマークは、「ゆるぎない大地」「日本の国土」をイメージとして 安定感のあるデザインとなっており、三角形は「自然」、Aの部分は「人間」をあらわしています。そして、左端の球は「農業の豊かさ」「実り」と、「人間の和」を象徴しています。

JAマーク

正組合員と准組合員

 正組合員と准組合員の大きな違いは、総会での議決権や役員の選挙権など、JAの運営に関与できるか、できないかといった権利の違いにあると言えます。これは、JA非農業的利害によって支配されないようにしているからです。

 JAがこうした独自の准組合員制度を採用したのは、貯金・共済・経済等の総合事業が地域の主要な経済機関として農村住民の経済生活に深い関係を持っていたという歴史的な経過によるものです。

JA東京みなみの定款で定める正組合員資格(個人の場合のみ抜粋)

  1. 農業を営む個人で、住所または経営に係る土地または施設が地区内にあるもの
  2. 1年のうち50日以上農業に従事する個人で、住所またはその従事する農業に係る土地又は施設が地区内にあるもの

JA東京みなみの定款で定める准組合員資格(個人の場合のみ抜粋)

  1. 組合の地区内に住所を有する個人で、事業を利用することが適当と認められるもの
  2. 組合から、定款に定める物資の供給または、役務の提供を1年以上継続して受けている組合の地区内に勤務地を有する個人であって、引き続きこの組合の事業を利用することが適当であると認められるもの
  3. 組合から、定款で定める事業に係る物資の供給、役務の提供を1年以上継続して受けている組合の地区外に住所を有する個人であって、引き続きこの組合の事業を利用することが適当であると認められるもの