高尾ぶどうのご紹介

東京生まれのぶどう「高尾」

高尾

 『高尾』は1956年(昭和31年)に東京都農業試験場(東京都立川市、現農林総合研究センター)の芦川孝三郎氏が育成、選抜した巨峰の実生改良種です。果粒は紫黒色の長楕円形で、巨峰よりやや小さく、果肉は締まっています。甘みは強く、酸味は適度、わずかに香りがあり、食味は濃厚。種なしのぶどうです。品質は優れているものの、栽培管理が非常に難しいため、ほとんど普及しませんでした。

 しかし稲城市や日野市では、このブドウに惚れ込んだ生産者の手によって、1970年(昭和45年)ごろから栽培が始められました。1976年(昭和51 年)に「稲城市高尾ブドウ研究会(現稲城市高尾ぶどう生産組合)」、1987年(昭和62年)に「日野市ぶどう研究会(現日野市ぶどう組合)」が発足され ました。

 生産方法や販売方法などについての試行錯誤を繰り返しながら、次第に認知され、現在「高尾」は贈答用高級ブドウのブランドとして定着しています。

高尾ぶどう成分比較表

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「高尾」の詳細

樹種名 ブドウ
育成機関名 東京都農業試験場
品種名 高尾(たかお) (系統名:立川1号)
登録番号 第264号(農林種苗名称登録)
登録年月日 1975年1月28日
品種登録出願者 東京都農業試験場
交雑年 1956年
交雑組み合わせ 巨峰の実生(きょほうのみしょう)
品種の説明  樹勢は旺盛でほぼ「巨峰」程度。「巨峰」に比べ萌芽・展葉は早いが、開花はやや遅れる。花粉は不整形のものが多くほとんど発芽せず、種子ができない。果粒 は紫黒色を呈し、果粉が豊富。開花期のジベレリン(GA)処理により7~8グラムの楕円形(無処理の場合は4~5グラムの円形)無核果粒となり、糖度は 17~18%、酸味は少なく、肉質はやや硬くしまっている。整形果房は400~500グラム、熟期は育成地(東京都立川市)で8月下旬~9月上旬。 1965年度より「立川1号」という系統名で検討し、1971年9月都下の名山「高尾山」にちなんで命名された。GA処理による無核となる大粒系黒色ブド ウであり、直売用として多く栽培されている。
育成担当部署 園芸部・果樹担当(旧栽培部 果樹研究室)

(c)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所
 芦川孝三郎.1972『ブドウの新品種‘高尾’について』育種学会雑誌 22:46-51
 芦川孝三郎.1973『ブドウの新品種‘高尾’について』東京都農業試験場研究報告 7:1-9
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